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有罪確定の前美濃加茂市長「このまま済ますわけにはいかない」贈賄業者と弁護人を提訴
2018年03月22日 19時00分

浄水設備事業をめぐって受託収賄などの罪に問われ、最高裁で有罪が確定した岐阜県美濃加茂市の前市長・藤井浩人氏(33)が、虚偽の供述など贈賄側の妨害行為があったために有罪判決を受けたとして、証人出廷した元業者の男性(贈賄罪などで有罪確定)と、男性の弁護士を相手取り、計約1億1千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。2月6日付。

3月22日に東京・霞が関の司法記者クラブで会見した藤井氏は、「私に現金を渡したというのは全くのうそだ。いち政治家として、汚職による事件で有罪が確定するということは、政治家としての信念とは真逆だ。支援してくれる方のためにもこのまま済ますわけにいかない」と述べた。

浄水設備事業をめぐって受託収賄などの罪に問われ、最高裁で有罪が確定した岐阜県美濃加茂市の前市長・藤井浩人氏(33)が、虚偽の供述など贈賄側の妨害行為があったために有罪判決を受けたとして、証人出廷した元業者の男性(贈賄罪などで有罪確定)と、男性の弁護士を相手取り、計約1億1千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。2月6日付。

3月22日に東京・霞が関の司法記者クラブで会見した藤井氏は、「私に現金を渡したというのは全くのうそだ。いち政治家として、汚職による事件で有罪が確定するということは、政治家としての信念とは真逆だ。支援してくれる方のためにもこのまま済ますわけにいかない」と述べた。

●藤井氏側「裁判所の審理が妨害された」

訴状などによると、男性の供述の信用性を否定した一審・名古屋地裁は、無罪判決を言い渡した。控訴審である名古屋高裁は裁判長の意向で「生の記憶による証言」を直接確認する方針だったのに、弁護士が直前に一審の判決要旨を受刑中の男性に差し入れたため、高裁が信用性判断のために証言を採用することができなかったと藤井氏側は主張している。

原告代理人で元検事の郷原信郎弁護士は会見で、次のように述べた。「本来であれば刑事裁判の中で、真実が明らかになるべきだった。差し入れが弁護士によって行われた。証人尋問の目的を妨害するようなことをしてはいけないという義務に違反しているのではないか。不法行為ということで民事上の責任を明らかにしていきたい」。

喜田村洋一弁護士は、「裁判所に対して審理の妨害をしてはいけないという義務がある。これが藤井さんに対する不法行為が成立するかどうかという新しい論点だ」と指摘した。

●新証拠見つかれば、再審請求も視野

また、この日の会見では、藤井氏側が再審請求を視野に入れていることも明らかにした。元裁判官の森炎弁護士は「再審請求は新証拠がないとできないので、新規性のある証拠を収集しないといけない。当然時間がかかる。他方で(今回の)民事における真相解明という手段をとる」と述べた。ただ、今回の提訴は新証拠の収集を狙ったものではないと説明した。

(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

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