この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
大手企業にお勤めの男性からの借金のご相談です。妻に内緒でネット銀行から50万円を借りたのがきっかけでした。ネット銀行の申し込みはネットで完結してしまうので,気軽に借り入れができてしまうのが問題です。借り入れた資金をもとにネットで株の取引をして遊興費や小遣いの足しにしていたのですが,株で損をして借り入れの返済もできなくなり,返済のために借り入れがどんどん膨らんでいきました。複数の銀行と信販会社から480万円まで借り入れが膨らんで,毎月の返済額が10万円を超える事態になりどうしようもなくなり,ついに妻に相談。会社の退職も考え,家庭崩壊の危機になりましたが,知り合い方のの紹介で当事務所に相談にお越しになりました。
解決への流れ
弁護士が受任した時点でいったんすべての返済をストップして,債務整理の方法をじっくり検討することができるようになります。借り入れの原因が,投機や遊興費であったことや,所有する財産として生命保険の解約返戻金見込み額が80万円,現時点での退職金の見込み額が300万円ありましたので,個人再生を選択。弁済額の算定は,上記保険の解約返戻金見込み額80万円+退職金見込み額300万円×8分の1=約118万円となり,これを3年間で毎月3万3千円相当を弁済する計画案が認可されました。妻にも協力してもらい,家計を見直して,無理なく返済できる範囲に収まりました。家庭崩壊の危機も脱し,会社にも知られずに手続きできましたので,これまでどおり仕事を続けることができました。
ご相談前には,会社を辞めることを考えたり,妻からは離婚を申し渡されたりして,借金で人生が大きく変わるところでした。借金問題は家族に内緒にしているとどんどん事態が悪化していきます。返済のために借り入れをしなくてはいけなくなった時点で,経済的には破たんしているわけですから,すぐに弁護士に相談してください。弁護士が受任した時点で借金の返済をストップすることができるわけですから,それだけでも追いつめられていた気持ちが楽になります。借金で失敗しても,民事再生や自己破産など救済する法律がありますので,何とかなるケースがほとんどです。一番いけないのは,闇金やクレジットカードのショッピング枠の現金化など違法な行為に手を出して事態をどんどん悪化させることです。ご相談に来られた方は。みなさん心底ほっとした表情で,「相談してよかった。」「もっと早く相談すればよかった。」とおっしゃいます。弁護士に相談するのは勇気がいることだと思いますが,どうか,一歩相談する勇気をもって踏み出してください。