相談者は、三人姉妹の次女であり、長女が亡くなった父親と同居していました（母親はすでに他界）。相続財産としては、自宅土地建物、預貯金、株式がありました。父親の死亡後、長女に大半の財産を相続させるという内容の父親の遺言書が発見されました。確かに、同居する長女が父親の世話を一番しましたが、私も、三女も実家に泊まり込むなどして世話をしました。父親は生前、三人の姉妹仲良くしてほしいと常々言っていましたので、父親が長女に有利なこのような遺言書を作成するとは信じられませんでした。

遺言無効確認の訴訟を提起するとともに、予備的に遺留分減殺の請求をしました。遺言書が本当に父親の自筆かどうかが争いになりましたが、遺言書は父親が自分で書いたものでした。長女にうまく話をされ、作成してしまったようです。しかし、一方で、父親の銀行での取引履歴を調査した結果、父親が死亡する１年程前から不自然な多額の預金引出しがあることが分かりました。長女は介護費用として使ったと述べていますが、金額的に大きく不自然です。結果、裁判上の和解が成立し、３分の１ずつの配分に近い内容での財産の配分を合意することができました。